加藤改石 牛首紬とは

繭を育て、糸を紡ぎ、機を織る

加藤機業場の牛首紬は、すべて白生地で出荷されます。

 

繭から糸を引き、撚糸・機織りまで、全ての工程を一つの工場の中で一貫して手作業で作っています。

 

ほとんどの工場が機械製糸機や自動織機を導入していますが、人の力以上を糸に入れないことによる着心地の良さにこだわるゆえ、年間生産反数は約150反と極めてわずかです。

 

使用する糸はすべて明治時代の「たて引きによる座繰り製糸法」で引かれ、緯糸には石川県無形文化財の指定条件である玉繭(※1)100%から引いた糸を使用しており、このような絹織物は世界中を見ても類を見ない特徴を持つ紬です。

 

白生地にこだわるのは、元来、男性紋付きのフォーマル着として織られていた歴史があり、一般のおしゃれ紬とは全く素性も使用法も違うものだからです。

 

先に糸を染めて柄合わせをすると、織り手はおもいきり横糸を打ち込むことができず、釘抜紬と言われるような強さを出すことができません。

また、白生地だからこそ後染めの扱いとなり、フォーマルに着られる紬として認知されています。

 

(※1)二匹の蚕さんが、一つの部屋に入って糸を吐き、一つの繭を作り、双子の繭になります。

加藤機業場と白山工房

 旧牛首村で織られている「牛首紬」の工場は2軒あり、加藤機業場と白山工房があります。

 

大門屋が扱う加藤機業場の牛首紬は、すべて白生地です。

 

繭から糸を引き、撚糸・機織りまで、全ての工程を一つの工場の中で、一貫して手作業で作っています。

 

そのため、年間生産反数はわずか約150反です。

 

白山工房では、先に糸を染めて織った物や、機械糸を使用し自動織機で作られる牛首紬もありますので、年間生産反数は多いです。

 

加藤機業場は「伝統を変えないこと」に尽くし、白山工房では近代化を進め、向かう方は正反対です。

牛首紬の注意点

平成28年6月21日、老舗の呉服問屋・(株)大野録(京都)が、民事再生法の適用申請を行い、保全命令を受けました。

 

こちらの会社は、加藤改石の牛首紬ではなく、白山工房の牛首紬を一手に取り扱っており、信用情報会社の記事等には、そのことが大きく載せられています。

 

しかし、そちらの記事には「石川県指定無形文化財・牛首紬を取扱い・・・」とあり、白山工房の名前は出ておりません。

 

加藤機業場の牛首紬は、白山工房のものとは異なり、(株)大野録とはまったく関係がございませんので、お知らせいたします。

 

こちらの倒産に伴い、大量の倒産品が市場に流れることが懸念されておりますが、加藤改石の牛首紬は希少品で大量に製造できません。

 

そのことから、市場に出回っている数に限りがあるため、ホンモノの加藤改石の牛首紬を販売している呉服屋は少なく、大門屋が総卸元となります。

 

加藤機業場は年間生産反数が約150反までに落ちましたが、今でも本物づくりにこだわり続けて、97歳を超える改石さんは、お母様から受け継いだ伝統の牛首紬を人生を掛けて変えることなく、もの凄い熱意をもって作り続けています。

 

どうぞお客様の熱意で、白山に残る貴重な文化「加藤機業場の牛首紬」をご愛顧下さいますようお願い致します。