加藤改石 牛首紬

繭を育て、糸を紡ぎ、機を織る

 

 加藤機業場の牛首紬は、すべて白生地で出荷されます。

 繭から糸を引き、撚糸・機織りまで、全ての工程を一つの工場の中で一貫して手作業で作っています。ほとんどの工場が機械製糸機や自動織機を導入していますが、人の力以上を糸に入れないことによる着心地の良さにこだわるゆえ、年間生産反数は約150反と極めてわずかです。

 使用する糸はすべて明治時代の「たて引きによる座繰り製糸法」で引かれ、緯糸には石川県無形文化財の指定条件である玉繭(※1)100%から引いた糸を使用しており、このような絹織物は世界中を見ても類を見ない特徴を持つ紬です。

 白生地にこだわるのは、元来、男性紋付きのフォーマル着として織られていた歴史があり、一般のおしゃれ紬とは全く素性も使用法も違うものだからです。

 先に糸を染めて柄合わせをすると、織り手はおもいきり横糸を打ち込むことができず、釘抜紬と言われるような強さを出すことができません。また、白生地だからこそ後染めの扱いとなり、フォーマルに着られる紬として認知されています。

 (※1)二匹の蚕さんが、一つの部屋に入って糸を吐き、一つの繭を作ります。

     双子の繭です。